回旋とエロンゲーション
前回のコラムでは、背骨を正しい位置に戻すためのピラティスエクササイズについてご紹介しました。背骨が整うことで、私たちの身体は持っている最大限の可動域を引き出すことができ、痛みなく、滑らかな動きが可能になります。この整った骨格が、ゴルフスイングにおける土台となる部分であり、重要な第一歩です。
さて、今回はその先のステップへと進み、スイングにおける「回旋」に焦点を当てていきます。
目次
回旋を作り出すために必要な基礎
ゴルフスイングにおいて、上半身と下半身を分離して動かすことが非常に重要です。この「分離」能力が、スイング時に捻転差を生み出し、パワーを最大限に引き出して飛距離を生み出します。しかし、どれだけ分離を意識しても、回旋の動きが正しくできなければ、パワーをスムーズに伝えることはできません。
そこでまず必要なのが「エロンゲーション」、つまり「軸伸長」です。これは、身体を上下方向に引き伸ばすことで、コアの筋肉が働きやすくなる状態を作り出します。
エロンゲ―ションの重要性
ピラティスでは、背骨の椎骨一つ一つの隙間を意識的に開けながら、すべての動作を行うことが求められます。この「上下で引っ張り合う感覚」をしっかりと持つことで、上半身と下半身をつなぐ部分、特に腸腰筋をはじめとするコアの筋群が活性化します。これにより、下半身から生まれたパワーがしっかりと脊柱に伝わり、スムーズで力強いスイングを生み出します。
しかし、この「エロンゲーション」の感覚を持つことが、意外に難しいと感じる方が多いのも事実です。特に、ただ座っているだけでも腰を反らせてしまうことが多く、これが代償となってしまうことがよくあります。多くの方が「腰を反ることでエロンゲーションを感じている」と思いがちですが、実際にはこれが逆効果です。
ゴルフスイングに必要なエロンゲ―ション
ゴルフスイングで求められるのは、前傾姿勢をキープしながらエロンゲーションを保つことです。背骨が丸まってしまったり、腰が反った状態でスイングを行うと、エロンゲーションが十分にできていないことが原因となり、スムーズな回旋が妨げられます。
一方で、正しいエロンゲーションを意識することで、前傾姿勢でもより効率的にパワーを伝えることが可能になります。
この状態が、まさにゴルフスイングにおける理想的な基盤です。
エロンゲーション
〈胡坐〉
- 坐骨で床を押す
- 頭頂は天井に引っ張る
★肩上がらないように
★腰が反らないようにお腹に力が入る感覚があればOKです!
〈エロンゲートしたまま様々な動きを行ってみよう!〉
スパインストレッチ
伸びながら丸まる動き
スパインツイスト
伸びながら骨盤は固定、上半身だけ回旋
ソウ
スパインツイストにプラスして丸まる動き
リズムよく行いましょう!
まずは座った状態でできることから始めましょう。
段階を踏んで取り組むことで、少しずつ体の動きが良くなっていきます。
無理のない、正しいスイングに近づくためにも、ぜひチャレンジしてみてください。