トータルゴルフフィットネス ゴルフコーチ兼パーソナルトレーナーの荒谷です。
ラウンド後に自分のスイング動画や写真を見て、
「インパクトまでは悪くないのに、フィニッシュがなんか決まらない…」
と感じたことはありませんか?
- 右足がベタ足のまま残ってしまう
- 膝が曲がったまま、ふにゃっとしたフィニッシュになる
- 体が左に流れて、腰が引けたような形になってしまう
こういった「綺麗じゃないフィニッシュ」は、見た目だけの問題ではありません。
実は、スイング中のエネルギーの伝達やバランスが崩れているサインでもあります。
バックスイング〜ダウンスイングでは、よく言われるように
下半身 → 上半身 → 腕 → クラブ
という順番(キネマティックシークエンス/運動連鎖)がとても重要です。
しかしインパクトを過ぎたフィニッシュの動きでは、
今度はクラブ → 腕 → 上半身 → 下半身というように、
エネルギーの流れが逆方向へ抜けていきます。
この時にポイントになるのが、
上半身の
- 上下方向の動き(縦の動き)
- 回転の動き(横回転の動き)
この2つのバランスです。 - 上下の動きが強すぎると → 右足体重のままフィニッシュしやすい
- 回転が強すぎると → 腰が引けて膝が曲がったまま、左に流れたフィニッシュになりやすい
つまり、**「綺麗なフィニッシュが作れない=上半身の動き方に偏りがある」**ということなんですね。
今回のコラムでは、
ご自身のフィニッシュの「どこが足りないか/どこが強すぎるか」をチェックしながら、
- プロのようにバランスよく立てる
- 写真に撮っても「おっ、決まってるね!」と言われる
- スイング全体も安定して、飛距離と方向性の向上にもつながる
そんな“機能的でカッコいいフィニッシュ”を身につけるための考え方と改善ドリルをお伝えしていきます。
文章だけだと、「上下の動き」「回転の強さ」と言われても、
実際にはどのくらい動けばいいのか、イメージしづらい部分も多いと思います。
そこで、今回の内容に合わせて
フィニッシュの良し悪しが一目で分かるレッスン動画をご用意しています。
- まずはご自身のフィニッシュをスマホで撮影
- その動画を見ながら、レッスン動画の動きと見比べる
- コラムで紹介するドリルを一緒にやって、その場で変化を体験してみる
という”体験型レッスン”のつもりで、ぜひ動画も合わせてご覧ください。
「今のフィニッシュ、どちらのパターンに近いかな?」と確認しながら、
一緒に動いてチェックしてみることで、改善ポイントがよりクリアになります。
目次
ドリル紹介
ここからは、
- 回転が強すぎるタイプ
- 上下の動きが強すぎるタイプ
それぞれに合った2つの改善ドリルをご紹介します。
ご自身のフィニッシュを動画でチェックしながら、どちらが当てはまるか確認してみてください。
ボールスローで整えるフィニッシュ軌道ドリル
(回転が強すぎる/上下動が足りないタイプ向け)

・目的(効果)
- 回転だけに頼らず、上下の動き(肩の傾き)を適度に使ったフィニッシュを身につける
- 左に腰が引けてしまうフィニッシュを改善する
- 肩の前傾角度を保ったまま、ターゲット方向にエネルギーを出す感覚をつかむ
・手順
- ボールを1つ用意します(大きさは問いません。テニスボール〜メディシンボールなど、お持ちのもので大丈夫です)。
- 通常のアドレスを取り、体の横でボールを両手、もしくは片手で持ちます。
- ターゲット方向に対して正しく構えたら、ボールをまっすぐターゲット方向へ投げるイメージでスローします。
- 回転が強すぎる方は、最初はボールが左方向へ飛びやすくなります。
- ボールが真っすぐ、もしくはやや右斜め前に飛ぶように、肩の傾き・前傾角度を意識しながら何度か繰り返します。
・ポイント
- ボールが左に曲がる=回転が強すぎるサインと考えてOKです。
- 前傾角度を保ちながら、胸や肩がターゲットに対して“突っ込まない”ように注意しましょう。
- 真っすぐ、もしくは少し右斜め前にボールを飛ばそうとすると、自然と
- 肩の上下の動き
- 前傾姿勢を保った胸の向き
が整ってきます。
- この感覚をつかんだら、クラブを持って同じイメージでスイングしてみてください。
「腰が引けないフィニッシュ」が取りやすくなっているはずです。
クラブオンショルダー・フィニッシュドリル
(上下動が強すぎる/右足残りタイプ向け)

・目的(効果)
- 上下動に偏りすぎた動きを修正し、回転と縦の動きをバランスよく使う
- 右足に体重が残ってしまうフィニッシュを改善する
- インパクト後に、胸が左斜め前を向いた綺麗なフィニッシュポジションを作る
・手順
- クラブを1本用意し、両肩に対してクラブが平行になるように、肩に担ぐような形で持ちます。
- その状態でアドレスを取り、軽くバックスイング〜ダウンスイングの動きをイメージします。
- 上下動が強いタイプの方は、インパクト〜フォローにかけて、クラブ(肩)の高さがずっと地面に対して垂直に近いままになっています。自分のクセを確認しましょう。
- インパクト後は、右肩側にあるクラブヘッドの方を「上に持ち上げる」イメージで動かします。
- 右肩が上がっていくのに合わせて、胸が左斜め前に向いていくフィニッシュポジションを作ります。
・ポイント
- 「右肩を上に逃がしてあげる」ことで、上下動だけでなく回転の動きがプラスされます。
- フィニッシュで
- 胸が左斜め前
- 右足が自然にめくれている
ポジションになっているかを確認しましょう。
- 上下の動きが強すぎる方は、インパクト後も「下に残る」意識が強く、右足体重になりがちです。
このドリルでは、右肩を上げることで体をしっかりターゲット方向へ解放する感覚を身につけます。 - 慣れてきたらクラブを通常通り構え、同じイメージでスイングしてみてください。
フィニッシュでの体重移動と回転がスムーズになってきます。
まとめ
綺麗なフィニッシュは、
単に「形を真似する」だけではなく、
- 上下の動き
- 回転の動き
- キネマティックシークエンス(運動連鎖)
が整った結果として自然に現れるものです。
- 右足がベタ足で残ってしまう方は → 回転をプラスする意識
- 腰が引けて膝が曲がったままの方は → 上下の動きをプラスする意識
といったように、
ご自身のフィニッシュのクセに応じて、今回の2つのドリルを使い分けてみてください。
おすすめの取り組み方は
- まずはスマホで自分のフィニッシュを撮影
- レッスン動画と見比べて、「自分はどちらのパターンか」をチェック
- 当てはまるドリルから1日5〜10回でOKなので継続して行う
- 数日おきに再度動画を撮影し、フィニッシュの変化を確認
という流れです。
綺麗なフィニッシュが身につくと、
- スイング全体のバランスがよくなる
- 体への負担も減り、ケガの予防につながる
- 何より、ラウンド中の写真・動画に自信が持てる
といったメリットもついてきます。
ぜひこのコラムと動画を活用して、
“機能的でカッコいいフィニッシュ”を、ご自身のものにしていきましょう。
練習の際には、今日ご紹介したドリルを1つでも良いので、さっそく取り入れてみてください。
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