スタッフコラム「ゴルフボディを作る」

第615回 ゴルファーのための食事学『パッティングのパフォーマンスは飲み物が決める⁉︎』

トータルゴルフフィットネス 管理栄養士の中島です。

ゴルファーの皆さん、ご自身の得意なクラブはありますか?

1本でも自身を持って得意と言えるクラブがあることが、100切り、さらにはハンデシングルを目指す上で必要と言われます。自身が得意なクラブ、不得意なクラブを知ることは重要です。

では皆さん、パターはどうでしょう。

皆さんパターに苦手意識はありませんか?
パターはスコアの3〜4割を占めます。14本のクラブの中で、これ程多くの割合を占めるクラブは他にありませんね。

今回は、パターのパフォーマンスアップに繋がる可能性を示す、面白い文献を見つけたのでご紹介します!

『カフェイン+糖質』

研究は、20人の男性ゴルファーを対象に行われました。シミュレーションゴルフを用いて、2mと5mの距離のパッティングパフォーマンスを、各ホール測定します。パッティングに影響すると想定されたのは『スポーツドリンク』です。ラウンド開始前、また6ホールと12ホールで成分の異なるドリンクを摂取し、パターのパフォーマンス、また自己評価を行いました。ドリンクは味を統一し、二重盲検(研究者側も被験者も中身を知らない状況で実施)でランダムに用いられました。
結果、パッティングパフォーマンスと注意力、リラックスに関する自己評価において、効果を示しました。(※1)
対象となったゴルファーは年齢が23±4歳、ハンディキャップ15±4、全て男性、と限られていますが、ある程度経験豊富なゴルファーであれば、パターのパフォーマンス向上が示唆された訳です。

では、効果のあったドリンクはどの様なものだったのでしょうか。
炭水化物6.4gカフェイン16mg (それぞれ100mlあたり)が入ったものでした。つまり、パターの鍵となるのは炭水化物(糖質)とカフェインだったわけです。

『糖質』

では、炭水化物がなぜパフォーマンスに関わるのでしょう。(実験に使用された炭水化物は糖質を示すことから、ここからは糖質と述べます。)
糖質は『脳のエネルギー源』として必要です。身体には様々な臓器が存在しますが、は飛び抜けて多くのエネルギーを消費します。その量はなんと1日で400kcal近くにもなります。チェスや将棋など、常に頭を働かし続ける対局を行う選手は、脳だけで消費するカロリーが数千キロカロリーにも及ぶことも報告されています。
これ程までに重要な糖質ですが、脳で保管しておくことはできません。
糖質を補給して血糖値を上げることが、脳への栄養補給となるのです。

『カフェイン』

集中すると言えば『カフェイン!』が頭に浮かぶ方は多いのではないでしょうか。
カフェインと集中力に関する文献は多く、体重当たり3〜6mg /Kg摂取することで、様々なパフォーマンス(持久力、ジャンプ、有酸素、筋力など)にプラスの効果を与えることが分かっています。またタイミングに関しては、スポーツ開始の60分前が提唱されています。(※2)
注意点として、カフェインは体質的に合う・合わないが大きいことが挙げられます。また利尿作用覚醒作用を持ち、依存性が高いことも理解しておく必要があります。高濃度のカフェインを利用する際には、注意が必要です。

それぞれの栄養素における目標値には個人差があり、個々の目標身体の状態によって適正な値は変化します。 TGFでは、管理栄養士の中島が、皆様それぞれに適した摂取量を提案させていただきます。是非館内またはホームページを含む各種SNS等からご相談ください!
引き続き様々な観点から、ゴルファーの為の栄養学についてご紹介させていただきます!

※1:「The effect of a carbohydrate–caffeine sports drink on simulated golf performance」。〔Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism・7 2009 Aug 34(4)〕 ※2:「International society of sports nutrition position stand: caffeine and exercise performance」。〔J Int Soc Sports Nutr. 2021 Jan 2;18(1):1〕


中島遥
管理栄養士 パーソナルトレーナー
長野県出身。神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科にて管理栄養士、栄養教諭の資格を取得。卒業後は小学校で管理栄養士として働きながら、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を取得。
現在、トータルゴルフフィットネスでは、「食事と運動」両方の面からお客様の望む身体作り、パフォーマンス向上に貢献できるよう努めている。
ゴルフスイングの改善やそれに必要な身体の動かし方をもっと具体的に知りたい方、今のスイングからステップアップしたい方に、トータルゴルフフィットネスのゴルフボディチェックをお勧めします。トレーナーがマンツーマンでゴルフに必要な身体の動きをチェック(12項目以上)、さらにゴルフコーチによるスイング分析を行って、身体とスイングの両方から課題を洗い出し、的確なアドバイスをさせて頂きます。
中島 遥
中島 遥

管理栄養士 パーソナルトレーナー
長野県出身。神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科にて管理栄養士、栄養教諭の資格を取得。卒業後は小学校で管理栄養士として働きながら、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を取得。
現在、トータルゴルフフィットネスでは、「食事と運動」両方の面からお客様の望む身体作り、パフォーマンス向上に貢献できるよう努めている。

キーワード

の記事