トータルゴルフフィットネス 管理栄養士の中島です。
今回は『食生活』と『睡眠』に関して考えていきます。
皆さんのゴルフパフォーマンスを決める要因は何でしょう?
身体の調子、心の調子(メンタル)、ゴルフにはどちらも重要な要素ですが、これらを左右するのが『睡眠』です。
熱帯夜が続いています。寝付きが悪い、夜中に目が覚めてしまう、、、。この様な症状に悩まされている方は『食生活』の改善によって睡眠の質を上げることができるかもしれません。
前提として、睡眠の質を維持する上で最も重要なことは『環境』です。直接風が当たらない範囲で、エアコンや扇風機を活用し、涼しい環境で入眠することが大切です。
そして『食事』も重要です。今回は睡眠の質を左右する食事のポイントを3点ご紹介します!
目次
炭水化物たっぷり
夏と言えば冷やし中華や蕎麦など、麺類を食べる機会が多いかと思いますが、夕食を『炭水化物(糖質)』のみで済ませることはおすすめできません。
『糖質』は睡眠の質に関わります。少量であれば入眠を助けることが分かっており、寝る直前であっても、果物などを少量食べる程度であれば問題ないと考えられます。しかし高炭水化物の食事は睡眠の効率を低下させる可能性があります。
『炭水化物の摂り方』と『睡眠』に関する研究があります。この研究では様々な文献をメタ解析した結果、炭水化物の摂取量が多いと『レム睡眠』が増加することが分かりました(※1)。レム睡眠では脳の活動が活発になり、身体は休んでいる状態です。身体を回復させる上でレム睡眠が必要であることは確かです。しかしこの割合が増加すると、夜中に起きてしまったり、睡眠時間は確保したはずなのに十分に寝た感じがしない、、等の状況を起こすと考えられます。
今回は炭水化物の質(何を選ぶか)と睡眠の関係性は示されませんでしたので、まだまだ調査が必要と言えますが、炭水化物の摂取量が多いことが睡眠の効率を低下させる一因になり得ます。
消化の悪いもの
揚げ物などの脂質の多い料理や、身体に良いとされる食物繊維も、食べ過ぎると睡眠の質を低下させます。
上記に共通する特徴は、消化に時間がかかるということです。特に揚げ物等の脂質の多い食品は、消化に4〜5時間以上かかると考えられます。つまり、夕食を食べる時間によっては入眠時に消化が完了しない可能性が高くなります。胃腸を含む消化管が働き続けると、身体は睡眠の準備に入ることができません。睡眠が浅くなりやすい、起床後に胃が何となく気持ち悪い、などの症状を起こす可能性があります。夕食で消化し難いものを食べる場合は、食べる時間と量を考慮する様にしましょう。
カフェイン・アルコール
睡眠の質を低下させる筆頭!とも言えるのが『カフェイン』と『アルコール』です。
今までのコラムではその有効性について挙げることの多かった『カフェイン』ですが、デメリットとしてカフェインの持つ覚醒作用が挙げられます。カフェインはその効果の持続性が長く、夕方以降に飲むと入眠の妨げとなることがあります。目安として、午後14時以降はカフェインの摂取を避けることが望ましいと考えます。
『アルコール』も同様に、覚醒作用を持ちます。寝酒という言葉もあり入眠し易くなるかと思われるアルコールですが、その後は睡眠の質を低下させます。脱水作用も強い特徴を持つことから、汗をかきやすい夏場は特に注意が必要です。
それぞれの栄養素における目標値には個人差があり、個々の目標や身体の状態によって適正値は変化します。 TGFでは管理栄養士の中島が、皆様それぞれに適した摂取量をご提案させていただきます。是非館内またはホームページを含む各種SNS等からご相談ください!
引き続き様々な観点から、ゴルファーの為の栄養学についてご紹介させていただきます!
※1:「A Systematic Review, Meta-Analysis and Meta-Regression on the Effects of Carbohydrates on Sleep
」Angelos Vlahoyiannis,Christoforos D. Giannaki,Giorgos K. Sakkas,George Aphamis and Eleni Andreou 【Nutrients 2021, 13(4), 1283; 】