トータルゴルフフィットネス 管理栄養士の中島です。
「最近、すぐに疲れる」「ちょっとしたことで風邪をひく」。皆さまとお話する中で、この様な悩みを抱えている方は少なくありません。特に年齢を重ねるにつれて体力の衰えと免疫力の低下を同時に実感することが増えていきます。これらは栄養不足も要因の一つです。実は、免疫力と持久力は別々の問題ではなく、同じ栄養素の不足によって低下することがあります。今回は冬だからこそ意識すべき、免疫力と持久力を高める食材を3つご紹介します!
免疫力と持久力に必要な栄養素

免疫力と持久力を両立するには、以下の栄養素が重要です。
免疫力に必要な栄養素:
- タンパク質(免疫細胞の材料)
- ビタミンD(免疫機能を調整)
- ビタミンA(粘膜の保護)
- ビタミンC(白血球の機能強化)
- 亜鉛(免疫細胞の働きを活性化)
持久力に必要な栄養素:
- タンパク質(筋肉量の維持)
- 鉄分(酸素の運搬)
- ビタミンB群(エネルギー代謝の補助)
- カルシウム(筋肉を収縮)
- ビタミンC(鉄分の吸収促進)
これらの栄養素を効率的に摂取できるのが、今回紹介する3つの食材です!
鮭〜タンパク質とビタミンDの最強コンビ〜
栄養価の特徴
鮭は冬が旬の代表的な魚です。免疫力と持久力の両方をサポートする優れた食材です。
鮭100g (1尾程度)あたりのおおよその主要栄養素:
- タンパク質:22g
- ビタミンD:32μg(1日の推奨量の約4倍)
- ビタミンB群(B1、B2、B6、B12):豊富
- アスタキサンチン:有効とされる量を含有
- EPA・DHA:1,200mg
免疫力への効果
ビタミンDによる免疫調整 ビタミンDは免疫細胞の活性化を調整する重要な栄養素です。近年の研究では、ビタミンD不足が呼吸器感染症のリスクを高めることが明らかになっています。冬は日照時間が短く皮膚でのビタミンD合成が減少すことから、食事から補うことも重要です。鮭1尾で1日の推奨量の約4倍ものビタミンDを摂取できます。週に2〜3回食べることで、冬の免疫力を効果的に維持できます。
タンパク質による免疫細胞の生成 免疫細胞や抗体はタンパク質から作られます。鮭の良質なタンパク質は必須アミノ酸がバランス良く含まれており、消化吸収率も高いことが挙げられます。免疫システムの材料として理想的です。
アスタキサンチンの抗酸化作用 鮭の赤い色素であるアスタキサンチンは、ビタミンEの約1,000倍もの抗酸化力を持つとも言われます。活性酸素を除去し、免疫細胞を酸化ストレスから保護します。
持久力への効果
筋肉の維持と修復 タンパク質は筋肉の材料であり、加齢や運動により損傷した筋肉を修復します。筋肉量を維持することで基礎代謝が保たれ、持久力の向上に繋がります。
エネルギー代謝の促進 ビタミンB群は糖質、脂質、タンパク質をエネルギーに変換する際に必要な補酵素です。特にビタミンB1は糖質代謝を、B2は脂質代謝を、B6はタンパク質代謝を促します。これらが揃うことで、食事から摂取した栄養素が効率的にエネルギーに変換され、疲労感が軽減されます。
抗炎症作用による回復力向上 EPA・DHAは体内の炎症を抑制し、筋肉の回復を促進します。運動後の疲労を軽減し、翌日のパフォーマンスを維持する効果があります。
効果的な食べ方
焼き鮭、鮭のムニエル、ホイル焼き、鍋料理など、鮭はさまざまな調理法で楽しめます。ビタミンDは脂溶性のため、油と一緒に調理することで吸収率が向上します。週に2〜3回、手のひらサイズ(約100g)を目安に食べましょう。
レバー〜鉄分とビタミンAの宝庫〜

栄養価の特徴
レバー(特に鶏レバー)は栄養素の密度が非常に高く、免疫力と持久力を同時に高める食材です。
鶏レバー100g (10切れ程度)のおおよその主要栄養素:
- タンパク質:20g
- 鉄分:9.0mg(1日の推奨量の約1.3倍)
- ビタミンA:14,000μg(1日の推奨量の約16倍)
- ビタミンB群(B2、B12、葉酸):非常に豊富
- 亜鉛:3.3mg
免疫力への効果
ビタミンAによる粘膜バリアの強化 ビタミンAは口腔、鼻腔、気管などの粘膜を健康に保ちます。これらの粘膜はウイルスや細菌の侵入を防ぐ最前線のバリアとして機能することから重要です。ビタミンAが不足すると粘膜が乾燥して脆くなり、感染症にかかりやすくなります。レバー100gで1日の推奨量の約16倍のビタミンAを摂取できます。しかし、ビタミンAは脂溶性で体内に蓄積されやすい栄養素です。食材から摂る分にはほぼ問題ありませんが、週に1〜2回の摂取が適切です。
亜鉛による免疫細胞の活性化 亜鉛は免疫細胞の生成と活性化に不可欠なミネラルです。不足するとT細胞やB細胞といった免疫細胞の機能が低下し、感染症のリスクが高まります。レバーは亜鉛の優れた供給源です。
ビタミンB12と葉酸による赤血球生成 ビタミンB12と葉酸は、赤血球の生成に必要な栄養素です。赤血球が正常に生成されることで免疫細胞への酸素供給が維持され、免疫機能が正常に働きます。
持久力への効果
鉄分による酸素運搬能力の向上 鉄分は血液中のヘモグロビンの材料となり、全身に酸素を運びます。鉄分が不足すると細胞でのエネルギー産生が低下し、疲労感や息切れが起こりやすくなります。レバーに含まれる鉄分は「ヘム鉄」です。植物性食品の「非ヘム鉄」と比較して吸収率が約5〜10倍高いことから、効率的に鉄分を補給できます。
ビタミンB群によるエネルギー代謝の活性化 レバーはビタミンB2が特に豊富であり、脂質代謝を促進します。また、ビタミンB12はエネルギー産生に関わることから疲労回復を早めます。
タンパク質による筋肉の維持 レバーの良質なタンパク質は筋肉量の維持に貢献し、基礎代謝と持久力を保ちます。
効果的な食べ方
レバニラ炒め、レバーの甘辛煮、レバーペーストなど、レバーは臭みを抑える調理法で食べやすくなります。下処理として牛乳に30分程度浸けると臭みが取れます。週に1〜2回、50〜100g程度を目安に摂取しましょう。
また、ビタミンCと一緒に摂ることで鉄分の吸収率がさらに向上します。レモン汁をかけたり、レバニラ炒めにピーマンを加えたりすると効果的です。
小松菜〜カルシウムと鉄分の優等生〜

栄養価の特徴
小松菜は冬が旬の緑黄色野菜で、カルシウムと鉄分が豊富です。
小松菜100g (2株)あたりのおおよその主要栄養素:
- カルシウム:170mg(牛乳の約1.5倍)
- 鉄分:2.8mg
- ビタミンC:39mg
- β-カロテン:3,100μg
- ビタミンK:210μg
- 食物繊維:1.9g
免疫力への効果
ビタミンCによる白血球の機能強化 ビタミンCは白血球の機能を高め、病原体への攻撃力を向上させます。また、強力な抗酸化作用により活性酸素から免疫細胞を保護します。小松菜100gで1日の推奨量の約40%を摂ることができます。
β-カロテンによる粘膜保護 β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、粘膜を健康に保ちます。レバーと組み合わせることでビタミンAの供給源が多様化し、バランスも良くなります。
食物繊維による腸内環境改善 免疫細胞の約70%は腸内に存在しているとも言われます。小松菜を含む葉物野菜に豊富に含まれる食物繊維は腸内環境を整えることで、免疫機能の向上を促します。
持久力への効果
鉄分による酸素供給 小松菜の鉄分は「非ヘム鉄」ですが、同時に含まれるビタミンCが吸収を促進します。レバーと組み合わせることで鉄分の摂取量が増え、持久力が向上します。
カルシウムによる筋肉機能の維持 カルシウムは筋肉の収縮に必要なミネラルです。不足すると筋肉が正常に働かず、疲労しやすくなります。小松菜は野菜の中でもカルシウムが豊富と言え、牛乳の約1.5倍含まれています。
ビタミンKによる骨の健康 ビタミンKはカルシウムを骨に沈着させる働きがあり、骨の強度を保ちます。骨が健康であることが骨折を防ぐとともに、長期的な持久力の維持に重要です。
効果的な食べ方
おひたし、炒め物、味噌汁、スムージーなど、さまざまな調理法で楽しめます。ビタミンCは水溶性で熱に弱いため、茹で時間は短めにし、茹で汁も味噌汁やスープに活用すると栄養を逃しません。
油と一緒に調理することで、β-カロテンとビタミンKの吸収率が向上します。ごま油で炒めたり、ごまと和えたりすることも良いです。
おわりに
冬の体調管理は免疫力と持久力の両方を意識した食事が鍵です。鮭はタンパク質とビタミンDで免疫の調整と筋肉量の維持を、レバーは鉄分とビタミンAで酸素の運搬と粘膜保護を、小松菜はカルシウムと鉄分で筋肉量の機能と免疫強化をサポートします。
これらの食材は冬が旬で栄養価が高く、さまざまな調理法で楽しめます。まずは週に数回、意識的に取り入れることで、風邪をひきにくく、疲れにくい体をつくることができます。冬を元気に乗り切り、充実した毎日を過ごしましょう!


