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『糖質制限』本当のところはどうなのか—心と体に何が起きているのか—

トータルゴルフフィットネス 管理栄養士の中島です。

『糖質制限』この言葉を聞かない日はないほど、この食事法は社会に浸透していると言えます。体重管理や血糖コントロールに効果があるとされ、医療現場で推奨されることもあります。しかし、実際に始めると気になるのは「続けても大丈夫なのか」という不安です。心臓や血管に負担はかからないのか、心の健康含め、こうした疑問に最新の科学はどう答えているのでしょうか。

今回は2つの最新研究をもとに、糖質制限の是非について考えていきましょう。1つ目は2024年『Nutrition Reviews』誌に掲載された、糖質制限食が心理的健康に与える影響を系統的にレビューした論文(Sindler et al., 2024)。2つ目は2025年『The American Journal of Clinical Nutrition』誌に発表された、心血管系への影響を174件のランダム化比較試験から分析したメタアナリシスです。どちらも一つの研究ではなく、複数の質の高い研究をまとめて答えを出しています。


心の健康は損なわれないのか?

糖質制限を始めると、最初の数週間は頭がぼんやりしたり、イライラしたりすることがあります。脳の栄養はブドウ糖と言われるため、糖質を減らすことで精神面に悪影響が出るのではないか——そう心配する人は少なくありません。

しかし、Sindlerらのレビューが示したのは意外な結果でした。16件のランダム化比較試験を分析した結果、糖質制限食は他の食事法と比べて心理的健康を悪化させることはないことが分かったのです。

むしろ12週間以上継続した場合には、QOL(生活の質)メンタルヘルス気分の改善が見られました。また、疲労感の軽減も報告されています。これは体がケトン体という代替エネルギー源を効率的に利用できるようになること、そして体重減少や血糖値の安定が間接的にメンタル面にも好影響を与えることが関係していると考えられています。

研究では臨床集団(糖尿病や肥満を持つ人々)だけでなく、健康な成人においてもこの傾向は同様でした。つまり適切に実施すれば、糖質制限は心の健康と両立できる食事法だということです。


心臓や血管への負担は?

一方で糖質制限を実施すると脂質の摂取量が増えることから、「コレステロールが上がるのでは」「心臓に悪いのでは」という懸念も根強くあります。この点についてはどうでしょうか。

27カ国、11,481名を対象とした174件の試験を解析した結果、糖質制限食(総エネルギーの45%以下を炭水化物から摂取)は、心血管リスクマーカーと体組成の両方で良好な結果を示しました。

具体的には以下のような効果が確認されています:

  • 体重と腹囲の減少 ― 特に肥満や過体重の人で顕著とのこと
  • 血圧の改善 ― 収縮期血圧・拡張期血圧ともに低下した
  • HDLコレステロール(善玉)の増加
  • 中性脂肪(トリグリセリド)の低下
  • インスリン感受性の向上

LDLコレステロール(悪玉)については一部で軽度の上昇が見られたものの、全体的には心血管リスクを高める傾向は認められませんでした。

重要なのは、糖質を減らした分「何で置き換えるか」です。論文では、不飽和脂肪酸(オリーブオイルや魚、ナッツ類など)やたんぱく質で置き換えた場合に、より良好な結果が得られることも示されています。


「続けられるかどうか」が鍵!

これらの研究が共通して示唆しているのは、糖質制限食の効果は時間をかけて現れるということです。

心理的な効果は12週間以上の継続で明確になり、心血管系の改善も同様に中長期的に観察されます。つまり、数週間で効果がないと判断するのは早計です。少なくとも3ヶ月は続けてみることが重要です。

注意点として、誰にでも合うわけではないことが挙げられます。特に腎機能に問題がある人妊娠中の方特定の代謝疾患を持つ人は、必ず医師や管理栄養士に相談してから始める必要があります。また、極端な制限は栄養バランスを崩すリスクもあります。野菜良質な脂質、たんぱく質をバランスよく摂ることが前提となります。研究においても「糖質制限食の定義は総エネルギーの45%以下を炭水化物から摂取」と記載がありますので、それ程極度の制限をした結果とは言えません。


科学が示す「安心」と「注意点」

糖質制限食について、科学が現時点で示しているのは以下のことです。

心理的健康を損なわない ― むしろ長期継続でQOLや気分が改善する可能性がある
心血管リスクを高めない ― 体重、血圧、脂質代謝において良好な結果が確認されている
質が重要 ― 糖質を減らした分、何を食べるかで結果が大きく変わる
継続が鍵 ― 12週間以上続けることで効果が見えてくる

一方で注意すべきは、過度な制限偏った食事内容個人の健康状態を無視した実践です。科学的根拠のある範囲で、自分に合った形で取り組むことが何より大切です。


情報に惑わされず、自分の体と向き合いましょう!

糖質制限をめぐっては賛否両論が溢れています。「痩せる」「危険だ」「万能だ」「意味がない」——さまざまな声が飛び交う中で科学的なエビデンスは冷静な視点を与えてくれます。

糖質制限は適切に実施すれば心にも体にも負担の少ない食事法である可能性が高い、というのが現在の科学的なコンセンサスです。ただし、それは万人に最適という意味ではないと考えます。私自身も様々な方と栄養カウンセリングをする中で、糖質制限が体質的に合わないと感じる方もいます。また、アスリートなど運動量が多い方には是非の問われる方法であると感じており、まだまだ研究が必要です。選択肢の一つとして有効であると言えます。

大切なのは流行や極端な情報に振り回されず、自分の体調や生活スタイルに合った形で無理なく続けることです。必要であれば専門家の助けを借り、長期的な視点で健康と向き合っていきましょう。


参考文献:
・Sindler D, et al. “The effects of carbohydrate-restricted diet on psychological outcomes: a systematic review of randomized controlled trials,” Nutrition Reviews, 2024; 82(2): 228-239.
・American Journal of Clinical Nutrition, “Effects of carbohydrate-restricted diets and macronutrient replacements on cardiovascular health and body composition in adults: a meta-analysis of randomized trials,” 2025; 123(2).

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中島 遥

管理栄養士 パーソナルトレーナー
長野県出身。神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科にて管理栄養士、栄養教諭の資格を取得。卒業後は小学校で管理栄養士として働きながら、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を取得。
現在、トータルゴルフフィットネスでは、「食事と運動」両方の面からお客様の望む身体作り、パフォーマンス向上に貢献できるよう努めている。

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