トータルゴルフフィットネス 管理栄養士の中島です。ゴルフは生涯スポーツとして多くのシニア世代に愛されています。しかし、そのスイングはダイナミックであり、腰や膝、肩など全身の関節に大きな負荷がかかります。また、加齢に伴う骨密度の低下は誰もが直面する課題です。長くゴルフを楽しむためには、日々の食事による骨と関節のケアが欠かせません。今回は、秋が旬の食材を活用してご紹介します!
『骨』の健康を支える栄養素
カルシウムとビタミンD
骨の主要な構成成分であるカルシウムは、成人男性で1日700〜800mg、女性で650mgの摂取が推奨されています。しかし、カルシウムは単独では吸収率が低いことが特徴です。ビタミンDと組み合わせることで、効率的に体内に取り入れることができます。
秋が旬の秋鮭には、100gあたり約33μgのビタミンDが含まれています。これは1日の推奨量(9.0μg)を大きく上回ります。また、魚を骨ごと食べられる水煮缶を活用することで、カルシウムも同時に摂取することができます。また、秋刀魚もビタミンDが豊富です。青魚特有のEPA・DHAが血流を改善し、骨への栄養供給をサポートします。
ビタミンKの重要性
近年の研究で注目されているのが、骨の形成に不可欠なビタミンKです。このビタミンはカルシウムを骨に沈着させるオステオカルシンというタンパク質を活性化させる働きがあります。私が普段摂っているサプリメントも、ビタミンDとビタミンKが一緒になっています。
秋に旬を迎えるきのこ類(まいたけや椎茸など)にはビタミンKが豊富に含まれています。また、納豆は発酵過程でビタミンK2が生成され、骨粗鬆症予防に効果的とされています。
関節の柔軟性を保つ栄養素
コラーゲンとビタミンC
関節軟骨の主成分はコラーゲンです。体内でコラーゲンを生成するためには、タンパク質とビタミンCが必要不可欠です。
秋の果物である柿は、ビタミンCが100gあたり70mgと豊富です。これは1日の推奨量の70%に相当します。また柿に含まれるタンニンには抗酸化作用があり、関節の炎症を抑える効果も期待できます。その他、秋の果物である梨もビタミンCを含みます。
オメガ3脂肪酸の抗炎症効果
関節の痛みや腫れは、炎症反応によって引き起こされます。オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)には、この炎症を抑制する作用があることが多くの研究で示されています。
前述した秋鮭や秋刀魚はオメガ3脂肪酸の優れた供給源です。週に2〜3回、手のひらサイズの切り身を食事に取り入れることで、関節の健康維持に貢献します。
グルコサミンとコンドロイチン
関節軟骨の構成成分であるグルコサミンとコンドロイチンは、軟骨の修復と再生を促します。これらは、山芋やオクラなどのネバネバ食材に含まれるムコ多糖類と同様の働きをします。
秋に旬を迎える里芋や長芋にはこのムコ多糖類が豊富に含まれており、関節の潤滑油としての役割を果たします。
抗酸化作用で関節を守る
ビタミンEとカロテノイド
これまでのコラムで何度も登場している活性酸素は、関節軟骨の損傷を加速させる要因の一つです。抗酸化物質を摂取することで、この酸化ストレスから関節を保護することができます。
秋の味覚であるさつまいもには、ビタミンEとβ-カロテンが豊富に含まれています。特に皮の近くに栄養素が集中しているため、皮ごと調理することをお勧めします。また、栗に含まれるタンニンにも強い抗酸化作用があります。関節の老化を遅らせる効果が期待でき、秋におすすめの食材です。
秋の食材を取り入れましょう!
朝食での取り入れ方
朝食に納豆と焼き鮭を組み合わせましょう。ビタミンK、ビタミンD、カルシウム、オメガ3脂肪酸を一度に摂ることができます。さらにデザートとして柿を添えることで、ビタミンCも補給できる理想的な献立となります。
昼食・夕食での活用
きのこと秋鮭のホイル焼き、さつまいもの煮物、里芋の味噌汁などがおすすめです。秋の食材を組み合わせた献立は美味しさと栄養バランスを両立します。煮物や汁物にすることで、食材の栄養素を余すことなく摂取することができます。
継続することの重要性
ここまで述べた栄養素は薬ではありませんので、一度摂っただけでは効果が限定的です。骨と関節のケアは一朝一夕には実現せず、毎日の食事で意識的に必要な栄養素を摂取し続けることで、10年後、20年後も快適にゴルフを楽しむための基盤となります。
おわりに
秋は、骨と関節の健康維持に必要な栄養素を豊富に含んだ食材が旬を迎える絶好の季節です。鮭、秋刀魚、きのこ、さつまいも、柿といった身近な食材を日々の食事に取り入れることで、体をケアすることができます!
美しい紅葉を眺めながらのラウンドをいつまでも楽しめる体づくり。それは、今日の食卓から始まります。秋の味覚を味わいながら、長くゴルフを楽しむための土台を築いていきましょう!