トータルゴルフフィットネス 管理栄養士兼トレーナーの中島です。
・ゴルフの調子が安定しない
・年々飛距離が落ちている
・ラウンド後の疲れが取れにくくなった
TGFで皆様とお話させていただく中で、この様な悩みを抱えるゴルファーの方は少なくありません。
その原因『たんぱく質不足』かもしれません。
日頃ジムでトレーニングをしていても、栄養の補給が追いついていなければ、効率的な身体づくりをすることはできません。
今回はゴルファーに必要なたんぱく質の基本と、効果的な摂取方法をお伝えします!
目次
たんぱく質=『筋肉の材料』。でもそれだけじゃない!
たんぱく質はヒトの身体を構成する栄養素の一種です。食事から摂取したたんぱく質はアミノ酸に分解され、身体に吸収されます。筋肉をはじめとした骨・内臓・ホルモン・免疫細胞など、身体のほぼ全てを構成する栄養素です。トレーニングによって傷ついた筋繊維の修復はもちろんのこと。疲労回復やコンディション維持にも関わります。
そして髪や爪が分かり易いですが、これらは一度作られて終わりではありません。多くの部位において一生作り替えが必要です。また、たんぱく質は身体に多くを蓄えておくことができません。定期的に必要量を摂取する必要があります。
たんぱく質はゴルフで求められる「安定性」「パワー」「持久力」を支える土台と言えます!
『どれくらい』摂れば良いの?
日本人の食事摂取基準(2020年版)には、それぞれの栄養素の推奨量が示されています。
たんぱく質の項目を見ると、18〜64歳の男性は65g、65歳以上の男性は60g、18歳以上の女性は50gと記載されています。それぞれの体型や活動量は異なるため、あくまでも標準化された値となりますが、おおよそ体重と同じグラム(g)のたんぱく質摂取量が推奨されていることが分かります。
日常的にラウンドするゴルファーの皆さんは、一般の方よりも運動量が多いと言えます。さらにトレーニングをしている場合は、より多くのたんぱく質が必要です。目安として体重の1.5倍程度(例:体重60kg→90g /日)のたんぱく質を摂取することがおすすめです。
上記の摂取量を満たすには、普段の食事だけでは意識しないと不足しやすい方が多いです。下記にたんぱく質を豊富に含むおすすめ食材を掲載します。ご参考ください!
・鶏むね肉(100g):約22g
・鮭1匹:約18g
・卵1個:約6g
・納豆1パック:約7g
・プロテイン1杯:約15〜20g
摂りすぎはNG?『適量』を見極めよう!
たんぱく質は余分に摂取した場合、必要以上に身体で使われることはありません。肝臓・腎臓で分解された後に、体外に排泄されます。使われないので食べてももったいない、というだけではありません。過剰摂取は身体に悪影響を及ぼすことが考えられます。
たんぱく質の適正な摂取量について調べた研究があります。筋力トレーニングを実施している男性に1.6g /kg /日【体重の1.6倍(g)のたんぱく質】と、3.2 g /kg /日【体重の3.2倍(g)のたんぱく質】を摂取してもらい、スポーツパフォーマンスを評価しました。この結果、全ての対象者においてスポーツのパフォーマンスは向上しました。しかし注目すべき点は、後者において肝臓・腎臓のマーカーが上昇したということです(※1)。
たんぱく質の過剰摂取は必ず身体に悪影響があるというわけではありません。しかし、適正量であることに越したことはありません。身体への負担を考慮しながら筋力やゴルフパフォーマンスを向上させることが大切です。たんぱく質の摂取量は体重の1.6g /kg /日程度にすることが推奨されます。それ以上は、内臓の疲労を招く可能性があるのです。
忙しいゴルファーが気をつけたい『摂取タイミング』
たんぱく質は1回にまとめて摂るよりも、1日3~4回に分けて摂りましょう。このことが、たんぱく質の吸収効率を高めるコツです。
朝:卵や納豆、チーズ、ヨーグルトなどで手軽に補給
昼:メインの料理を肉や魚を選びバランスよく食べる
トレーニングまたはラウンド後:プロテインで素早く回復
夜:消化に良い魚や大豆製品で身体を整える
まとめ:栄養は練習と同じくらい大切!
✅ たんぱく質は、ゴルファーにとって「飛距離」「安定感」「回復力」を支えるカギ! それぞれの栄養素における目標値には個人差があり、個々の目標や身体の状態によって適正な値は変化します。 TGFでは、管理栄養士の中島が、皆様それぞれに適した摂取量を提案させていただきます。 是非館内またはホームページを含む各種SNS等からご相談ください。 引き続き様々な観点から、ゴルファーの為の栄養学についてご紹介させていただきます! ※1:Reza Bagheri; Mehdi Kargarfard, Ramin Sadeghi, David Scott & Donny M Camera. 「Effects of 16 weeks of two different high-protein diets with either resistance or concurrent training on body composition, muscular strength and performance, and markers of liver and kidney function in resistance-trained males」〔17 Oct 2022, Accepted 07 Jul 2023, Published online: 29 Jul 2023〕 |