夏の代表的な野菜といえば、皆さんは何が思い浮かびますか?
トマトやきゅうり、ナス、ゴーヤなど、、、様々な野菜が思い浮かぶかと思います。
今回私がご紹介する夏野菜は『とうもろこし』です!
6〜9月上旬が旬のとうもろこしは甘くて食べやすく、子どもから大人まで人気の高い食材です。そして、そのおいしさだけでなく栄養価においても注目すべきポイントがたくさんあります。今回はとうもろこしの栄養と健康効果について考えていきましょう!
目次
持久力維持に役立つ『質の良い糖質』
ゴルフは見た目以上にエネルギーを消費するスポーツです。個人差はありますが、18ホールを歩くだけでも1,000〜1,500kcal程度を消費します。また、夏場はさらに発汗により体力を奪われます。この様に多くのエネルギーを必要とする中で、とうもろこしに含まれる天然の糖質(主にデンプンと少量のショ糖など)は、ゴルファーの身体と脳のエネルギー源として非常に優秀です。
長時間『安定した』エネルギーを供給!
とうもろこしに含まれる糖質は、白米や食パンなどの白い糖質に比べて、血糖値の上昇が緩やかです(低〜中GI食品と呼ばれます)。この性質により、血糖値の乱高下による集中力の低下・倦怠感を防ぐ効果が期待されます。
ラウンド後半になると「なんとなくボーっとする」「体が重く感じる」といった症状のある方はいらっしゃいませんか?この原因は糖質不足かもしれません。ラウンド前の朝食やハーフ後の軽食時にとうもろこしを摂ることで、持続性のあるエネルギー補給が可能になります。
『筋肉を守る』役割も!
体内ですぐに使用できるエネルギーが不足すると、身体は筋肉を分解してエネルギー源にしようとします。このことがパフォーマンスの低下や疲労感の原因にもなり得ます。ラウンド中は糖質を適切に補うことで筋肉の分解を防ぎ、安定したパフォーマンスを維持しましょう。
とうもろこしを『補食』として活用しよう!
朝食:とうもろこしご飯+たまご+味噌汁
→とうもろこしは様々な料理に活用することができます。簡単なものとして『とうもろこしご飯』があります。米にとうもろこし、少量の塩を加えて炊くだけで、簡単にとうもろこしご飯を作ることができます。このご飯を中心に定食とすることで、糖質+タンパク質+水分・塩分補給ができ、夏におすすめの朝食です!ラウンド中やハーフ終了後:スティックとうもろこし(蒸し・焼き)やとうもろこしおにぎり
→ラウンド中の補食として、朝食のとうもろこしご飯をおにぎりとして活用することがおすすめです。また、とうもろこしは電子レンジで加熱するだけでそのまま食べることもできます。糖質を摂るために米だけじゃダメなの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、糖質はその種類によって吸収のスピードや効果に差があります。大切なのは、様々な種類の糖質を摂ることです!
食物繊維が『腸内環境』を整える!
ゴルファーにとって、体調管理はスコアに直結します。そこでまず意識したいのが腸内環境を整えることです。身体の免疫機能を向上させるためには、腸の持つ役割が大きいことが分かっています。そんな腸の環境には、食物繊維が必要です。食物繊維は水溶性と不溶性の2種類にわけることができます。そして、とうもろこしには水溶性・不溶性の両方の食物繊維が含まれております。
食物繊維がもたらす3つのメリット!
① 便通の改善
→食物繊維は腸の動きを促進し、不要な老廃物の排出をスムーズにします。「毎朝なんとなく身体が重い」「お腹の調子がよくない」という方に積極的に摂っていただきたい栄養素です。注意点として、食物繊維は摂取量によってはかえって胃腸の不調を招くこともあります。摂取量は少しずつ増やすことがおすすめです。
② 免疫力の維持
→腸内には様々な菌が存在します。そして身体に良い影響を与えるものも、悪い影響を与えるものもあります。 腸内環境が整うことは、善玉菌の増加に繋がります。この善玉菌の増加が、免疫力を上げ、日常的に体調を崩しにくい身体を作ることに繋がります。
③ メンタルの安定
→腸は『第二の脳』とも呼ばれます。脳と腸はお互いに影響しあっていると言われるのです。例として、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンを挙げます。このセラトニンはその多くが腸内で作られています。そして気分や学習、記憶、睡眠など様々な要素に影響を与えます。腸が整うことで、集中力の維持に良い影響を与える可能性があります。
『カロテノイド』が目の疲労をケア!
ゴルファーの『目』は、実はとても酷使されています。強い日差し、芝目の読み、遠距離のボール追視など、、、。特に夏場は紫外線によるダメージが強く、目は皮膚よりも多くの紫外線を吸収します。
そこで役立つのが、とうもろこしに含まれるカロテノイド(ルテインやゼアキサンチン)です。これらの成分は目の黄斑部(網膜中心部)に高濃度で存在しています。光や酸化ストレスから目を保護する『天然のサングラス』のような役割を果たします。カロテノイドは、この黄斑部が障害される加齢性斑変性を予防する効果が報告されています(※1)。カロテノイドはとうもろこし意外にも、ほうれん草やブロッコリー、卵黄などに含まれます。これらも積極的に食べて欲しい食材の一つです。
この様に、夏の王道野菜『とうもろこし』には、ゴルファーにとって多くのメリットがあります。ぜひ、積極的に摂取しましょう!
それぞれの栄養素における目標値には個人差があり、個々の目標や身体の状態によって適正値は変化します。 TGFでは管理栄養士の中島が、皆様それぞれに適した摂取量をご提案させていただきます。是非館内またはホームページを含む各種SNS等からご相談ください。
引き続き様々な観点から、ゴルファーの為の栄養学についてご紹介させていただきます!
※1:Mrowicka M, Mrowicki J, Kucharska E, Majsterek I. Lutein and Zeaxanthin and Their Roles in Age-Related Macular Degeneration-Neurodegenerative Disease. Nutrients. 2022 Feb 16;14(4):827. doi: 10.3390/nu14040827. PMID: 35215476; PMCID: PMC8874683.