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STAFF COLUMN

夏の『疲労』は食事で解決!

夏休みが終わって日常生活に戻った今、体の疲れを感じていませんか?「なんとなくだるい」「いつもより疲れやすい」「朝すっきり起きられない」といった不調に心当たりのある方も多いのではないでしょうか。休暇中の不規則な食事や飲酒、夏の暑さによる食欲不振で、知らず知らずのうちに栄養バランスが乱れているかもしれません。

ゴルファーの皆さんからも「最近ドライバーの飛距離が落ちた」「後半のホールまで集中力が続かない」「翌日に疲れが残る」この様な声をいただきます。これらの症状は適切な栄養補給で改善できるかもしれません。

疲労は単なる疲れではなく、身体からの大切なサインです。今回は疲労のメカニズムと、ゴルファーの皆様が今日から実践できる食事のコツをご紹介します!

疲労のメカニズムと食事の役割

疲労は単純な疲れではありません。生化学的には、ヒトのエネルギー源である細胞内エネルギー(ATP)の枯渇が挙げられます。このATPが不足することで、神経や筋肉の働きが低下し、疲労感が生まれます。その他にも、活性酸素による細胞の損傷、炎症反応の促進、神経伝達物質のバランス変化など、様々な要因が複雑に絡み合うことで疲労の状態を作り出します。つまり、身体が「これ以上動くと身体の損傷が増えるから、休んで!修復させて!」と言っているわけですね。

ゴルファーの皆さんが18ホールを回った後に感じる疲労感も、歩行による筋肉の疲労だけではありません。集中力の維持による精神的疲労紫外線による体の内外へのダメージ、脱水による電解質バランスの乱れなど、様々な種類のストレスが蓄積した結果と言えます。

 

疲労回復を促す栄養の基礎

1. 『糖質』補給のタイミング

まず大切な栄養素が『糖質』です。糖質は体内でグリコーゲンという形で、筋肉や肝臓に蓄えられます。このグリコーゲンが十分にあることが、疲労回復の第一歩です。グリコーゲンが不足すると筋肉の収縮力や持久力が低下し、疲労が発生しやすくなることが分かっています(※1)。

運動後すぐに食事を摂ることは難しいかもしれません。ですが、まずは30分以内を目安に身体のエネルギー源となる糖質を中心に補給しましょう。運動中・後含めてグリコーゲンの枯渇を防ぐことが、疲労感の減少に繋がります。

実践例:ラウンド後30分以内におにぎり1個(糖質約40g)とプロテイン(卵やサラダチキンなどでもOK)を摂りましょう。身体を十分に回復させ、翌日に疲労を残さない栄養補給に繋がります。

2. タンパク質が筋肉の損傷を修復

先ほどの実践例に、タンパク質を豊富に含むプロテインも記載しました。タンパク質には、糖質と一緒に摂ることで吸収を促進するといった役割もあります。また、運動により生じた微細な筋肉の線維損傷の修復には、必要な栄養素であることも挙げられます。

タンパク質といっても、構成するアミノ酸の種類は食材によって異なります。ヒトが体内で作りだすことのできない必須アミノ酸の中でも、ロイシンやイソロイシン、バリンといった分岐鎖アミノ酸(BCAA)が重要な役割を果たします。肉や魚に豊富に含まれますが、サプリメントとしてBCAAやEAAといった商品が該当します。

タンパク質の推奨摂取量は体重1kg当たり1.2-2.0gです。ゴルファーの場合は一般の方よりも運動量が多いため、1.5g程度を目安にすると良いです。つまり、体重65kgであれば、1日に必要なタンパク質は100g程度です。

細胞を守る『抗酸化』栄養素

激しい運動紫外線に当たることにより、体内では活性酸素が生まれますこの活性酸素は一定量必要ですが、増えすぎると細胞を損傷させ、疲労感を増大させます。この酸化ストレスに対抗するためには、抗酸化栄養素が効果的です。今回は王道の3つをご紹介します。

ビタミンC

抗酸化成分と言えば!ビタミンCとも言えます。ビタミンCはコラーゲンの合成促進と抗酸化作用により、疲労回復を促します。柑橘類キウイフルーツブロッコリーなどがおすすめです。最低でも1日100-200mgの摂取が推奨されます(ブロッコリーだけで上記の必要量を満たすのであれば、小房6個程度です。)。喫煙や感染症、ストレスでさらに消費されることが分かっており、該当の場合は2〜3倍の摂取が推奨される場合もあります。

ビタミンE

脂溶性ビタミンの代表格で若返りのビタミンとも呼ばれます。細胞膜を構成する不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ強力な抗酸化作用をもち、運動で生じた筋細胞の損傷修復を促進します。ゴルファーにとっては、長時間の歩行や繰り返しのスイング動作による筋疲労の回復に重要な役割を果たします。また、血液循環を改善する作用もあり、血流の向上により疲労物質の除去を助けます。

推奨摂取量は成人で1日11〜15mgですが、運動量の多い方は15mgの摂取が良いとされます。アーモンドやヘーゼルナッツなどのナッツ類、ひまわり油やオリーブオイルなどの油脂類アボカドなどに豊富に含まれています。ナッツだけで必要量を満たそうとすると、両手の平一杯分も必要です。油脂類を活用し、必要量に近づけることがおすすめです。また脂溶性ビタミンのため、と一緒に摂取することで吸収率が向上します。

ポリフェノール

ポリフェノールには、数えきれない程の種類があります。特にブルーベリーのアントシアニン、緑茶のカテキン、赤ワインのレスベラトロールなどが強力な抗酸化作用を示します。特にカテキン中でもエピガロカテキンガレート(EGCG)は最強の抗酸化成分と言えます(※2)。緑茶や紅茶を飲むことで手軽に摂ることができるので、1日の中でこまめにカップ3〜5杯飲めると良いです。

電解質のバランスも重要

ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルは、発汗により失うリスクのある栄養素です。夏場のゴルファーは多くの汗をかくため、スポーツドリンク等でこれらを摂る必要があります。特にマグネシウムは筋肉の正常な収縮神経伝達に不可欠です。

夏場のラウンドでは、1ラウンドで1〜3リットルの水分と相当量の電解質が失われます。運動中は単純な水分補給ではなく、適切な濃度の電解質溶液(スポーツドリンクなど)の摂取が重要となります。スポーツドリンクについては別のコラムで詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

疲労回復のカギは睡眠

疲労回復の80%は睡眠中に行われます。睡眠の質を高める栄養戦略として、以下の2つの栄養素が効果的です。

トリプトファン幸せホルモンとも呼ばれる重要な成分です。セロトニン、メラトニンの前駆体として、自然な睡眠を促進します。牛乳やチーズ、大豆製品、魚介類に豊富です。つまり、タンパク質を豊富に含む食材と重なると考えてください。

・マグネシウム:神経の興奮を抑制し、深い睡眠をサポートします。私自身も睡眠の質を高めるため、また筋肉のケアを目的として、マグネシウムの入った入浴剤を使用しています。就寝2時間前のマグネシウム入浴剤の使用が効果的です。TGFでもHALEOのREMIN (リミン)を取り扱っています。興味のある方は、ぜひスタッフにお声がけください。

疲労回復の効果には個人差があります。年齢、体重、運動強度、発汗量、消化能力などを考慮した個別化が重要です。特に40代以上のゴルファーでは、基礎代謝の低下と消化機能の変化を考慮する必要があります。ぜひ、館内でお声がけください。

まとめ

効果的な疲労回復は、休養、栄養、睡眠のバランスにより実現できます。ゴルファーにとって、ラウンド前後の適切な栄養管理は、単なる疲労回復だけではありません。翌日以降のパフォーマンス向上と怪我予防にもつながる重要な投資です。

個人の体質と生活スタイルに合わせた栄養戦略を構築し、継続的に実践することで、より充実したゴルフライフを送ることができます。まずは薬に頼らない自然で持続可能な健康管理法として、食事を見直しましょう!

【参考文献】

※1:Ørtenblad, N., Westerblad, H., & Nielsen, J. (2013). Muscle glycogen stores and fatigue. The Journal of Physiology, 591. https://doi.org/10.1113/jphysiol.2013.251629.
※2:Bernatonienė, J., & Kopustinskiene, D. (2018). The Role of Catechins in Cellular Responses to Oxidative Stress. Molecules : A Journal of Synthetic Chemistry and Natural Product Chemistry, 23. https://doi.org/10.3390/molecules23040965.

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中島 遥

管理栄養士 パーソナルトレーナー
長野県出身。神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科にて管理栄養士、栄養教諭の資格を取得。卒業後は小学校で管理栄養士として働きながら、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を取得。
現在、トータルゴルフフィットネスでは、「食事と運動」両方の面からお客様の望む身体作り、パフォーマンス向上に貢献できるよう努めている。

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