トータルゴルフフィットネス 管理栄養士の中島です。今回は、ゴルファーの皆さんにラウンド当日に食べて欲しい食事についてです。18ホールのラウンドでは約10〜12kmを歩き、4〜5時間にわたって集中力を維持する必要があります。適切な栄養補給が、ゴルフパフォーマンスに影響を与えます。良いゴルフは良い食事から!
目次
ラウンド当日の朝食
タイミング
スタートの2〜3時間前に摂るのが理想的です。消化を完了させ、血糖値が安定した状態でラウンドを開始することができます。血糖値の急激な変化は精神の安定に影響を与えることが分かっており、血糖値コントロールは重要です。
推奨メニュー
複合炭水化物中心の食事
- おにぎり(2個)+ 味噌汁 + 焼き魚
- バナナ + オートミール + ゆで卵
- 全粒粉パン + スクランブルエッグ + ヨーグルト
重要なポイント
GI値(グリセミック指数)のバランス
- 低〜中GI値の食品を中心にすることで、急激な血糖の上昇を避ける
- 白米よりも玄米、白パンよりも全粒粉パンが理想的
適度なタンパク質
- 満腹感の持続や筋肉量の維持に貢献
- 目安:20〜30g
水分補給
- 朝食時に水コップ1杯250ml程度を摂取
- コーヒーには利尿作用があるため、飲む場合は水も多めに摂りましょう
避けるべき食品
- 高脂肪・高繊維の食品:消化に時間がかかります
- 初めて食べる食品:牡蠣などの生物を含め、日常的に食べる頻度の少ない食品は消化不良のリスクがあります。避けることが無難です。
- 量の多い食事:腹部膨満感が強く、スイングにも影響を与えます。
持久運動(60分以上)では、運動前の糖質摂取により疲労発生を遅延させるとともに、運動パフォーマンスが向上することが多くの研究で示されています。
ラウンド中の補食:集中力とエネルギーの維持
補給のタイミング
前半9ホール終了時と後半6ホール付近での補給が効果的です。血糖値の低下を防ぎ、集中力を維持できます。また、朝食で十分な栄養補給を行うことが難しい場合は、前半4〜5ホールで補給が必要なことも想定されます。個別のアドバイスはぜひ館内でお声がけください!
推奨補食
前半終了時(しっかり糖質補給)
- おにぎり1〜2個 + バナナ
- エネルギーゼリー + ナッツ(片手のひら分くらい)
- サンドイッチ+フルーツ
後半途中(軽めの糖質補給)
- バナナやフルーツ
- エネルギーゼリー
- スポーツようかん
水分・電解質
- 1ホールあたり50〜100mlを目安に定期的な摂取を
- スポーツドリンク(ハイポトニック飲料)が理想
- 合計1〜1.5L程度(気温による調整が必要)
運動中60〜90分ごとに炭水化物を補給することで、認知機能と判断力が維持されることが分かっています。ゴルフでは特に後半に疲労を感じる方が多く、計画的なエネルギー補給が重要です。また、小まめな糖質補給により、筋肉に蓄えられたグリコーゲンの消耗を抑え、後半の疲労を軽減することにも繋がります。
避けるべき補食
- 高脂肪スナック:ポテトチップス、揚げ物
- 重い食事:ラーメン、カレーなど
夏季・冬季の調整ポイント
夏季(気温が高い日)
- 水分補給量を1.5〜2倍に増加
- 塩分タブレットの携行
- 凍った飲み物やシャーベット状のものなど、身体の中から冷却できるものがおすすめ
- 前日の夕食で十分な水分摂取を行う
冬季(気温が低い日)
- 温かいスープや味噌汁で体温を維持
- 寒い日であっても、意外にもエネルギー消費量は増えるため炭水化物量は維持
- 温かい飲み物(ホットスポーツドリンク、温茶)の携行
まとめ:実践のための3つのポイント
前日の夕食から土台作り 炭水化物を中心に、消化の良い食事でグリコーゲンを蓄積
当日朝食で準備万端 スタート2〜3時間前に、バランスの取れた食事を適量摂取
ラウンド中はこまめな補給 血糖値の低下を防ぎ、最後まで集中力とパフォーマンスを維持
栄養戦略を実施することで、18ホールを通じて安定したプレーが可能になります。次回のラウンドから、ぜひ実践してみてください!