トータルゴルフフィットネス 管理栄養士の中島です。
今回のテーマは『タンパク質不足』についてです。
「毎日しっかり食べているから私は大丈夫」と思っていませんか?食事記録アプリ「カロミル」を運営するライフログテクノロジー株式会社の調査によると、なんと全体の39%もの人に目標量に対するタンパク質不足が見られるという結果が出ています。
皆さんのようにゴルフを全力で楽しみ、また飛距離アップやスイングの安定を目指すゴルファーは、一般の方よりもさらに多くのタンパク質が必要なケースが多いと言えます。
今回もいくつかの研究に基づき、タンパク質不足のセルフチェックをしてみましょう!
なぜゴルファーに「タンパク質」が必要なのか?

たんぱく質は、筋肉、骨、皮膚、免疫細胞など、私たちの体のあらゆる組織を構成する最も基礎的な成分です 。
ゴルフにおいて重要な地面反力を効率よくスイングに伝えるためには、土台となる筋力と、それを支える神経伝達物質の合成が欠かせません 。タンパク質が不足すると、以下のようなリスクが高まります。
筋肉の分解(カタボリック): 運動中にエネルギーが不足すると、体は筋肉を分解してエネルギーに変えてしまいます 。
回復の遅れ: 運動による微細な筋肉の損傷を修復できず、翌日の疲労感や痛みが長引きます 。
集中力の低下: ドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質もタンパク質から作られます。プレー中の集中力や判断力に影響します 。
実は足りてない?「タンパク質不足」チェックリスト
以下の項目に1つでも当てはまる方は、タンパク質摂取量を見直す必要があります 。
1. 身体的サイン
最近、飛距離が落ちてきたと感じる
練習やラウンドの翌日に疲れがなかなか取れない
髪がパサついたり、抜け毛が気になったりする
爪が割れやすい
- 肌の乾燥が気になる
2. 食生活・ライフスタイル
朝食はパンとコーヒーだけで済ませることが多い
1日3食のうち、肉や魚をしっかり食べるのは1食だけ
激しい練習(週に数回の打ち込みやトレーニング)を行っている
60歳以上で、以前よりも食事の量が減った
あなたに必要な「タンパク質量」の計算

一般的な成人(活動量が少ない人)のタンパク質推奨量(RDA)は体重あたり0.8g /dayです 。しかし、パフォーマンス向上を目指すゴルファーには、これでは不十分な場合が多いです。
運動強度に合わせた1日あたりの目標摂取量は以下の通りです。
| 活動レベル | 摂取目標(体重 1 kg あたり) | 体重 60 kg の人の例 |
| 軽度の運動(週1〜2回のラウンドのみ) | 1.0g | 60g |
| 中程度の運動(定期的な練習やトレーニング) | 1.3g~ | 78g~ |
| 強度の高い運動(ほぼ毎日練習・トレーニング) | 1.6g~
| 96g~ |
賢い「たんぱく質」の摂り方

単にタンパク質の量を増やすだけでなく、「質」と「タイミング」が鍵となります。
① 「動物性」と「植物性」をバランスよく、かつ動物性を重視
肉、魚、卵、乳製品などの動物性タンパク質は、筋肉の合成に必要な必須アミノ酸(EAA)がバランスよく含まれており、吸収率も高いのが特徴です 。 特に運動後の回復にはホエイプロテイン(乳清)のような素早く吸収されるタイプが効果的です 。
② 1日3回に分ける
一度に大量(例えば 50g以上)のタンパク質を摂っても、筋肉の合成に利用できる量には限界があります。朝・昼・夕の各食事で25gずつ摂取する、また間食を設けることで、24時間を通して筋肉の合成を最大化できます 。
③トレーニング中・後にタンパク質を摂る
トレーニングやラウンド後のタンパク質の摂取を意識しましょう。トレーニング後30以内にタンパク質を!というゴールデンタイム理論は重視されなくなってきており、現状最も重要なのはタンパク質の絶対量と言えます。しかし、ある程度時間は幅広く捉えて問題ありませんので、トレーニング中・後には糖質とタンパク質を摂取することで、筋肉の修復効率を高めることができます。
最後に
ゴルフは生涯スポーツとして長く楽しめる素晴らしい競技です。しかし、その土台となるのはあなたの身体そのものです。
トレーニングなどで動きを整えるのと並行して、食事という材料を正しく整えてあげましょう。タンパク質を正しく摂取することで、スイングのキレが戻り、ゴルフがもっと楽に、もっと楽しくなるはずです。
もし「自分の具体的な食事メニューを相談したい」という方がいらっしゃいましたら、ぜひトータルゴルフフィットネスにて中島にお気軽にご相談ください。
健康な体で、理想のゴルフライフを!
参考文献
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000126.000018894.html
Guoyao Wu. “Dietary protein intake and human health.” Food & Function, vol. 7, 2016, pp. 1251-1265.
Valeria Dipasquale, et al. “Acute Malnutrition in Children: Pathophysiology, Clinical Effects and Treatment.” Nutrients, vol. 12, 2020, 2413.
- Giorgina Barbara Piccoli, et al. “Nutritional status and the risk of malnutrition in older adults with chronic kidney disease – implications for low protein intake and nutritional care: A critical review endorsed by ERN-ERA and ESPEN.” Clinical Nutrition, vol. 42, 2023, pp. 443-457.

