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STAFF COLUMN

ヘッドスピードを高める身体づくり:筋肉を落とさない糖質制限のルール

トータルゴルフフィットネス 管理栄養士の中島です。

今回のテーマは『糖質制限』です。糖質制限(ロカボ)はすっかり定番の食事法になりました。クラブ内で会員の皆様とお話する際にも、「体脂肪を減らすために」、あるいは「健康維持のために」取り入れている方が多いと感じます。しかし、極端な糖質制限はおすすめすることができません。

「ラウンドの後半にスタミナが切れる」

「集中力が低下してミスショットが増える」

といった悪影響を引き起こすリスクがあります。今回もいくつかの研究をもとに、ゴルフのパフォーマンスを落とさずに、体重・体脂肪をコントロールするための糖質制限の方法について考えていきましょう!

1. 【短期決戦】早く体を絞りたいなら『糖質制限』が有利

まず、「とにかく早くお腹をへこませたい」「体を軽くしてキレを出したい」という皆さんへ。近年の大規模な研究は、短期間(3〜6ヶ月)で効率よく体重を落とすには、カロリー制限よりも糖質制限の方が効果的であることが分かっています

Sumらの研究によると、肥満・過体重の成人を対象とした12週間の試験において、単なる『カロリー制限(脂質を抑えて糖質は普通に摂る)』よりも、カロリーを気にせず糖質だけを制限したグループの方が、BMI、体重、ウエスト周囲径、体脂肪率が大幅に減少しました。さらに糖質制限+カロリー制限を組み合わせると最も効果が高まりました。

また、糖質制限は血糖値の安定(インスリンの分泌を抑える)や食欲の抑制にも繋がります。ラウンド中に急激な空腹感やパフォーマンス低下(低血糖による集中力切れ)を起こしにくいというゴルファー特有のメリットもあります。

注意点として、今回の研究は既に肥満や過体重の方を対象としているため、肥満では無い方に対するメリットは限定的である可能性が挙げられます。また、長期的な健康リスクは考慮されていない点も注意が必要です。

2. 【長期の結論】1年以上続けると『どのダイエットも横並び』になる

「じゃあ、ずっと糖質をカットし続ければいいんだ!」と思われるかもしれませんが、ここにも大きな落とし穴があります。

複数の研究が共通して指摘しているのは、1年以上の長期で見ると、糖質制限も他のダイエットも、体重減少や血糖値の改善効果はほとんど変わらなくなるという事実です

この理由はシンプルだと考えられます。厳格な糖質制限は長期で続けるのが非常に難しい(モチベーション低下や制限の限界)点です。さらに、長期にわたる極端な糖質制限は、体に必要な食物繊維やビタミン類の不足を招くリスクも懸念されています

3. 期間に応じた『%(割合)』の使い分けをしましょう!

今回はゴルファーにとって最適な糖質との付き合い方として、時期に応じた使い分けをおすすめします。

3-6ヶ月の短期で減量の必要がある場合:主食(米・パン・麺)を通常量の半分程度とし、たんぱく質と良質な脂質を中心とした食事とします。目安は糖質の量を全体の45%以下。研究では炭水化物量を全体の25%程度にするものも見られましたが、長期的なリスクが読めないのが現状です。私の見解としては、糖質制限のメリットを享受し、安全リスクを考慮すると40-45%程度を糖質制限と定義しました。

6ヶ月以上の長期間健康的な食生活を構築したい場合:主食は控えめとし、その他の食品をバランスよく食べます。炭水化物量は全体の50%程度で、ゆるく糖質を制限します。

4.安全に糖質制限を行う3つのルール

糖質制限を行う際の注意点として、いくつかの副作用(初期の軽微な筋肉のつりや、脂質の選び方による悪玉コレステロールの上昇リスクなど)も報告されています。これらを防ぎ、ゴルフの成果に繋げるため3つのルールがあります。

  • ① タンパク質は『体重1kgあたり1.0〜1.5g』を守る

    糖質を減らすと、体は筋肉を分解してエネルギーに変えようとしてしまいます。スイングの土台となる下半身の筋肉(LBM:除脂肪体重)を落とさないためにも、肉、魚、大豆製品、プロテインなどでタンパク質を十分に補給しましょう

  • ② 良質な油(不飽和脂肪酸)を選ぶ

    糖質を減らした分、肉の脂身(飽和脂肪酸)ばかりを増やしてしまうと、コレステロール値の悪化を含む健康リスクがあります。青魚の油(EPA・DHA)やオリーブオイル、ナッツ類など、血管に優しい良質な油を選んでエネルギーを補いましょう

  • ③ 水分とミネラルを十分に補給する

    糖質制限の初期は、体内の水分やナトリウムを含むミネラルが抜けやすくなります。よって、このことが足のつり(こむら返り)や身体のだるさの原因になります。ラウンド中はいつも以上にこまめな水分・塩分補給を心がけてください。

最後に:あなたのライフスタイルとゴルフに合わせた食事戦略を

食事の正解は、画一的なものではありません。「今は直近のコンペに向けて3ヶ月で仕上げたい」のか、「10年後も18ホールを元気に歩いて回りたい」のかによって、糖質との付き合い方は変わります

トータルゴルフフィットネスでは、会員様一人ひとりのトレーニング状況やゴルフの目標に合わせて、最適な食事・栄養のカウンセリングも行っています。気になる方は、ぜひトレーナーやスタッフまでお気軽にご相談ください!

参考文献

  • s12916-023-02869-9.pdf:食事の糖質・カロリー制限が肥満成人の体重・代謝に与える影響(Sunら、2023年)

  • e000354.full.pdf:2型糖尿病患者における糖質制限食のメタ分析(Snorgaardら、2017年)

  • fnut-10-1287987.pdf:過体重・肥満成人の体重に対する糖質制限の影響:110件のRCTメタ分析(Soltaniら、2023年)

ゴルフスイングの改善やそれに必要な身体の動かし方をもっと具体的に知りたい方、今のスイングからステップアップしたい方に、トータルゴルフフィットネスのゴルフボディチェックをお勧めします。トレーナーがマンツーマンでゴルフに必要な身体の動きをチェック(12項目以上)、さらにゴルフコーチによるスイング分析を行って、身体とスイングの両方から課題を洗い出し、的確なアドバイスをさせて頂きます。

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中島 遥

管理栄養士 パーソナルトレーナー
長野県出身。神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科にて管理栄養士、栄養教諭の資格を取得。卒業後は小学校で管理栄養士として働きながら、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を取得。
現在、トータルゴルフフィットネスでは、「食事と運動」両方の面からお客様の望む身体作り、パフォーマンス向上に貢献できるよう努めている。

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